ビジョン

ビジョン―ずべての中堅・中小企業を黒字化する

~すべての中堅・中小企業を黒字化する

日本の中堅・中小企業の現状

日本の中堅・中小企業は儲かっているだろうか?

日本には約380万社の中小企業が存在しています。
そしてその約7割が赤字であると云われています。
冷静に考えていただきたいのですが、380万社のうちの約7割が赤字。。。っておかしくないですか?

そもそも会社は利益を追求することを目的として設立されるものです。
赤字である原因は様々なものがあるでしょうが、全体の約7割が赤字という現状を放置しておいてよいものなのでしょうか。

すべてを黒字化できたらどうなるか?

すべての中堅・中小企業が黒字化したら・・・

これらの企業が全て黒字になったらどんなに素晴らしい社会になることでしょう。

中小企業に勤務する方々のお給料もアップするでしょうし、黒字化に際して効率化が図られていれば残業もなくなり早く帰宅して家族と過ごせる時間も増えることでしょう。
休日出勤もなくなり、家族と過ごす時間を増やせるだけでなく、迫りくる人工知能との大競争時代に生き残るべく、自らのスキルを磨く時間も確保できるかもしれません。
もしくは地域社会のコミュニティに参加して地域への貢献活動に精を出せるかもしれません。

経営者の方は、資金繰りに追われることなく、事業に真正面から向き合う時間が確保できるでしょう。
そして、広く世の中に目を向け、社会に散在する多くの社会的問題の解決に向けた取り組みを自社の事業を通じてできないかの検討をする時間も取れるかもしれません。
政治に向き合う時間が出れば、自ら政治を変えるような行動に出る可能性だって否定できません。

全ての中小企業が黒字化することで、法人税の税収も大きく増えることになります。
それらを原資として、拡大を続ける教育格差の問題、母子家庭の貧困問題など一気に解決できるかもしれません。
昨今議論が生じている若年世代に対する社会保障(ベーシックインカム)の原資の一部とすることも可能でしょう。

このように、日本の中堅・中小企業が全て黒字化すれば、直接的・間接的を問わず日本全体のお金の周りが良くなって、信用乗数を通じてその効果は何倍にもなって国民全体に帰ってきます。

その結果、今まで目につくことのなかった様々な社会の問題に目が行くようになってさらなるイノベーションがあちこちに芽生えるかもしれません。

会計専門家の資質

会計士や税理士にできることは何だろう?

私は公認会計士です。
公認会計士は「監査」をすることを独占的に国から認められた資格保有者ですが、公認会計士の資格を取得しただけでは、企業経営に関する知見はほとんど持ち合わせてはいません。

「会計」の専門家として、管理会計を使って会社の問題を「見える化」して、その穴を防ぐことを指導することは勿論できますし、会社の内部統制(不正や誤謬が発生しないような業務手順)を指導することもできます。

会社の行為が会社法等に抵触しないかの判断も大まかにすることもできますし、法人税のプラニングをすることもできます。

でも、企業経営の必須のマーケティングやコミュニケーションに関する知見は、公認会計士試験の試験科目にもなっていないことから、ほとんどの公認会計士はその知見を欠いています。

税理士の先生方もそうです。
税理士の先生は税法という法律の専門家であって、会計の専門家ではありません。

クライアント企業の記帳代行等をされていても、「会計」の本質を学んでいらっしゃる方は少ないと思いますし、管理会計を使いこなせる先生方も本当に少ないと思います。

さらに、公認会計士と同じで、企業経営の必須のマーケティングやコミュニケーションに関する知見は、税理士試験の試験科目にもなっていないことから、ほとんどの税理士はその知見を欠いています。

私は大手監査法人(KPMG)を退所して以降、20年近くに渡って金融機関の方々と中堅・中小企業の「事業再生」に取り組んでまいりました。

その取り組みを始めた当初に痛感させられたのは、自らの経営に関する知見のなさでした。公認会計士という資格が担保してくれる知見など、企業経営のリアルの前ではほとんど役に立たなかったのです。

確かに、金融機関の方々の求める10年程度の数値計画を含んだ「再建計画書」という成果物によって、債務者企業へ新たなニューマネーがメイン金融機関を中心に提供され、一時的ではあれ、債務者企業が「資金繰りの問題」から解放されることに関してはお役に立てていたと思います。

ところが、根本的な経営の問題(その大半が売上に関する問題である)を解決できないまましばらくすると、同じような資金逼迫の問題が生じる企業も多くあったのです。

中堅・中小企業の経営者の一番身近な専門家でありながら、彼らが最も「経営に関する全般的な相談をしたい」はずの会計専門家には、「経営」に関する資質は残念ながらありません。
世間からは「経営の専門家」として認識されることが多い会計専門家は、実は「経営」に関しては素人なのです。
このパラドックスを放置しておいてよいはすがありません。

すべてを黒字化するために、何をするべきか?

中堅・中小企業を黒字化するために会計専門家がするべきことは?

中堅・中小企業の経営者にとって一番身近な専門家は、税理士や独立公認会計士という会計専門家のはずです。

もし、どのようなものであれ、経営に関する相談を顧問会計士や税理士に相談できて、毎回的確な回答をしてもらえたら、経営者にとってこれほど心強いことはないでしょうし、実際にそのアドバイスが的確であればクライアント企業の業績も向上するはずです。

公認会計士や税理士は、自分の専門は会計や税務にかかわる領域であると自分で線引きをしてしまいがちです。

その結果、経営に関する学びの機会や情報が世の中に転がっていたとしてもそれに気づかずにスルーしてしまいます。いわゆる「選択的注意」というやつですね。

このような状態では「経営」に関する知見が蓄積されるはずがありません。

一方で、こういった会計専門家の中には、自分のクライアントの業績をなんとか向上させてさしあげたい、その結果地方創生に貢献したいと考えていらっしゃる方もまだまだ少数派ですが存在しています。

高い意識を持ち、自らを公益のインフラと捉えて、経営やビジネスに関する知見の吸収にどん欲なまでに取り組んでいらっしゃる先生方は、少数ながら確実に存在しているのです。

ただ、残念ながら、何をどのように学べばよいのかがわからないために、クライアント企業の業績と相関係数の低い知見を学んでみたりといった残念な現象が多く発生しているようです。

こういった公共心の高く、社会のために学ぶ意欲の高い先生方に、私の培った経験をうまく伝えることができたなら、同志の数は飛躍的に伸びることになります。

その結果、先生方のクライアントの経営に関する指導が結果を出し始めれば、そういった志高い先生方の事務所にさらに多くのクライアントが多く集まるようになって、さらに良い指導が受けられる企業の数が増えていくことになります。

これは、とても素晴らしいことであり、日本の社会を変える大きな力になるのだと確信しています。

「日本の中堅・中小企業を黒字化する」などという仰々しいビジョンを掲げていますが、不可能なことだとは思っていません。
ただ、私一人では実現することは困難です。

日本の中小企業の最も身近な専門家は、独立公認会計士や税理士という「会計専門家」です。
彼らが、企業経営者の経営参謀になることができれば、このビジョンは達成できると考えています。

私が身に付けたこういった知見は、同様の強いビジョンをもった全国の会計専門家に伝授していくべきものと考えています。

「経営参謀にふさわしい会計専門家」を全国にたくさん作ることを自らに課された使命であると考え、その実現に向けて邁進したいと考えています。

企業経営者の皆さんにお願いしたいこと

真に役立つ会計専門家の育成のために。

これから各地域に、経営者の方のニーズに応えることができる「経営の専門家」でもある会計専門家を全国各地に育てていきたいと思っています。

そういった先生方の育成は、全国の経営者の皆さんのご協力なしには実現できません。経営者の皆さんがそういったこれからの時代にふさわしい、社会のインフラとしての自覚に富んだ優秀な会計専門家を顧問として迎え入れていただき、ご活用いただけるようにお願いしたいと思います。

株式会社Corporate Solution Management

代表取締役 弓削 一幸