Business Design Accountant養成講座第1期(2020年4月開講)
2020年5月より開講予定の「問題解決倶楽部(ビジネス・デザイン・アカウンタント養成講座)」では、以下のテーマの講義とワークショップを実施しつつ、ケース研修を採り入れながら、ロジカルとクリエイティブをバランスよく学んでいただくことを予定しております。
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研修日程
◆第1講:5月16日(土曜日)
◆第2講:6月20日(土曜日)
◆第3講:7月11日(土曜日)
◆第4講:8月29日(土曜日):沖縄合宿予定(3泊4日)
◆第5講:9月19日(土曜日)
◆第6講:10月17日(土曜日)
◆第7講:11月14日(土曜日)
◆第8講:12月12日(土曜日)
◆第9講:1月16日(土曜日)
◆第10講:2月6日(土曜日)
◆第11講:3月6日(土曜日)
◆第12講:4月10日(土曜日)
(注1):上記の日程は現在(2020年4月1日)現在のものであり、予告なく変更する場合がございますのでご注意ください。
(注2):開催場所は「京都時々大阪、季節により地方」の方針を掲げております。
各月の開催場所は確定次第、お知らせします。
ぜひ当地で開催を!という先生方はご連絡ください。
(注3):研修時間は13時~17時を予定しております。
(研修テーマによっては18時まで延長する場合がございます。)
(注4):受講費用25,000円(税込)/回
(注5):実際の研修の映像を収録した録画でもご受講いただけます。(遠方の方はご利用ください。)
また、研修受講者の復習のために、研修映像を一定期間公開し視聴できるようにいたします。
映像の複写、転写、あるいは受講者以外の方の視聴機会の提供はくれぐれもお控えいただきますようお願いいたします。
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研修内容
◆マーケティングのSTP
◆STPの罠
◆アンバサダー・マーケティング
◆コミュニティ・マーケティング
◆ダイレクトか?ブランドか?
◆ブランディング
◆差別化って何だろう?
◆行動経済学概論
◆マーケティング・インサイト
◆カスタマー・ジャーニー・マップ
◆デザイン思考
◆課題のデザイン
◆店頭マーケティング
◆BtoBマーケティング
◆仮説思考
◆固定費思考
◆統計思考
◆プロジェクト・マネジメント
◆戦略的PR
◆ニュースリリースの作り方
◆広告コピーの作り方
◆チラシの作り方
◆SEO v.s. Keyword
◆SNSマーケティング
◆スタートアップ・マーケティング
◆レトリックを使ったクリエイティブ発想
◆バイアスの壊し方~クリエイティブ発想~
◆ケース研修
(注):話しとかないといけないことを列挙しましたが、すべてを12回で話し終えることは不可能なので、話せない内容も出てくることはご承知おきくださいますようお願い申し上げます。
コカ・コーラが発明されて世に出たのは1850年ごろ。真っ黒で口に含むとシュワシュワして甘くて美味しい。こんな飲み物は見たことがないということで、世間の人々はこぞってコカ・コーラを買って飲みました。
そして、コカ・コーラを広く世の中に認知させようと「いつでも、どこでも、だれにでも」というスローガンのもと、広告が展開されました。
すべての消費者に対して同じメッセージを送るというマス・マーケティングの時代です。
時代は下がって現代ではほぼこのようなマス・マーケティングは使われなくなりました。
同じような商品が世の中に溢れた現代では、消費者の嗜好が多様化したことも相まって、すべての消費者に対して売ろうとしても、商品の訴求ポイントがぼやけてしまって、誰にとっても自分のための商品ではないと思われてスルーされてしまうからです。
そこで登場したのが、ターゲット・マーケティングです。
市場を属性や嗜好によって細分化し(Segmentation=市場細分化)、そのうちのどこかのセグメントに対象を絞って(Targeting=標的市場の設定)、その市場にいる消費者の頭の中にどのようにポジショニングするか(Positioning=競合製品との相対的な位置取り)を決定しなければならないということです。
新しく商品を考える時にどういったSTPで商品コンセプトを作りこむのか、すでにある商品をSTPで考えてどういった人にどういうふうに思ってもらいたいのかということを考えなくてはならないということです。
マーケティングのSTPということで、簡単な説明で終わってしまうことも多い概念なのですが、腰を据えて考えてみると奥が深いのです。
そもそも市場を分ける(Segmentation)といっても、市場をどんな切り口で切ればいいのか、その切り口を自分なりにしっかり持っている人は意外と少ない。
さらにポジショニングする時には、2軸からなるマトリクスを描いて4つの象限で考えることが通例ですが、このマトリクスの作成自体も実はとても奥が深い。
効果的なマトリクスを考えた上でポジショニングマップを作るということが、とても大切なことは言うまでもないのですが、なかなか筋の良いマトリクスを作ることは実は難しい。
したがって、STPは世の中に腐るほどあるマーケティングの関連書籍に記載してあるような簡単なものではないのですね。
問題解決倶楽部では、セグメンテーションする時に使用する切り口の考え方、ポジショニングする時に役立つマトリクスの考え方という、基本的だけど超重要な概念について詳細に講義をします。その後ワークショップで実際にSTPを行ってみましょうね。
商品開発やコミュニケーション時にSTPを考えるのってとっても大事だよって先ほど書きましたが、本当に市場を細分化(Segmentation)して、ターゲットを絞ることは正しいことなのでしょうか。
絞り込まなければ、もっと多くの様々な属性や嗜好を持つ人に対して売ることだって可能ではないでしょうか。
絞り込んでターゲットを設定することで実は売上を最大化できていないのではないのでしょうか。
例えば、ベビースターラーメンのすばらしさを伝えて買ってもらいたいターゲットとして「小学生を子供に持つお母さん」を設定し、彼女たちに向けて「お腹の空く塾の合間にベビースターラーメン」というキャッチコピーでTVCMを流すことは正しいことなのでしょうか。
STP理論はマーケティングの大家フィリップコトラーがまとめたマーケティングの基本中の基本のフレームワークですが、大家の言うことはいつの時代でも正しいのだとするマインドこそが、僕らの目を曇らせている原因なのです。
コトラーのSTP理論の正しさについて皆さんと深く議論したいと思います。
10年以上も前になりますが、当時強い影響力を持っていたパワー・ブロガーなどのインフルエンサーに、企業の新商品を使ってみた感想などをブログで発信してもらって、その新商品の認知度を上げて最終的に購買にまでつなげようとしたマーケティングの手法がありました。
これをインフルエンサー・マーケティングと言います。
その後SNS等が社会のインフラとしてすっかり定着し、誰もが自由に発信できることが当たり前になった現在では、インフルエンサーマーケティングという手法は以前よりもその重要性は大きく後退しました。
企業が生活者にお金を払ってその製品やサービスを褒めてもらうという手法って、皆さんならどのように感じますか?
おそらくほとんどの人が、お金を払って書いてもらった情報に信憑性なんてないし、そんなことをする企業なんて信用できない、そんな企業の商品やサービスなど買いたくもないと口々におっしゃるでしょう。
ではそういったインフルエンサーの代わりに、どういった人々にどんな形で自社の商品やサービスを話題にしてもらったら、自社の商品やサービスがもっとよく世の中に認知されて買ってもらえるようになるでしょうか。
こういった視点からマーケティングを考えるのが、アンバサダー・マーケティングです。
浦和レッズの試合を見ていて何か感じることはありますか?
AKBファンクラブに皆さんは入会していますか?
全国管理会計協会(そんなのあるのかな?)に皆さんが入会する目的な何ですか?
浦和レッズのサポーターは熱狂的で、レッズサポーターとして各々が小さなコミュニティに所属して、全体として一つの大きなサポーター集団を形成しています。
なぜ、レッズファンはそのコミュニティに所属したいのでしょうか?
AKBのファンも熱狂的なファンが多いことで有名です。
推しのメンバーがいれば握手会で長時間並んで待つし、CD発売となれば一人で数十枚単位で購入したりします。
AKBのファンはなぜファンクラブに入会するのでしょうか?
上に書いたアンバサダーとも重なる部分は多分にあるのですが、コミュニティの形成を意図して、これをマーケティングに生かす手法というものは非常に効果的なツールだと思います。
STPでターゲットを詳細に設定することの可否とも実は大いに絡んでくる論点なのです。
そういえば、問題解決倶楽部も一つの立派なコミュニティです。
だから僕はその観点からもこのコミュニティを考えていたりします。
マーケティングは大きく分けるとダイレクト・マーケティングとブランド・マーケティングの2つに分けることができます。
ダイレクト・マーケティングとは、ニーズが顕在化している人に直接コミュニケーションしてすぐに買ってもらおうということを志向するタイプのマーケティング手法であり、ブランド・マーケティングとは、自社や自社の商品やサービスを好きになってもらってから買ってもらおうとするタイプのマーケティング手法をいいます。
ダイレクト・マーケティングの典型は、新聞の折り込みチラシでその効能が謳われて体力がめっきり落ちたおじいちゃんがすぐに注文の電話をしてしまうサントリーのセサミンです。
ブランド・マーケティングの典型は、資生堂のアジエンスのTVCM。
ハリウッド女優のチャン・ツイーを起用したTVCMを何度も何度も目にした若い女性が、すっかりアジエンスが気に入ってしまい、ついには会社の帰りにドラッグストアでアジエンスを買うというような購買行動を生むマーケティング手法です。
どちらが大事かという二項対立の話ではなく、お互いにその弱点を補完しあうべきという関係にあります。
なので、どちらのマーケティングの考え方もしっかりと身に着けておくべきですね。インサイトはダイレクトでもブランドでも大切な要素となります。
1990年代からブランディングという言葉が流行ってきました。
低成長でモノが売れなくなったため、企業や商品をブランド化して、ブランドの力で販売を楽にしていこうという動きですね。
ブランドってとても分かりにくい概念ですが、アーカーやケラーのブランド論を手掛かりにして、中小企業でもできるブランディングの方法についてお話を進めていきます。
短期的な売上を作るためにダイレクト・マーケティングも大事。
中長期的な売上を作るためには、ブランド・マーケティングも大事。
昔は広告でブランドを作るということで、広告会社がブランドマーケティングに躍起になった時期がありましたが、現代 ではブランドを広告で作ることはできないといわれています。
現代では、ブランドを作るのはストーリーであったり、体験であったりします。
広告でしかブランドが作れないのであれば、中小企業にはブランドなど作れないこととなりますが、ストーリー・ブランディングや体験ブランディングという概念も生まれた昨今では、中小企業でもブランドをまとうことはできる時代なのですね。
ブランディングだって、お客様の心理状態に変化を与えて共感を得るものですから、新しい管理会計の枠組みに当然入ってきますよね。
ポーターの基本戦略の中に差別化戦略というものがあります。
競合他社の商品やサービスとは異なる機能やイメージでそ競合先のそれらよりも高い価格で買ってもらえる戦略のことを言います。
差別化の種類にはどういったものがあるのかを知っておくことは、クライアントの商品やサービスを考える時にとても役立ちます。
さらに、差別化と独自性とはどう違うのか。
また、ポーターやコトラーが言うように、差別化は本当に高い価格で売ることに貢献できているのかということを考えてみたいと思います。
2002年のノーベル経済学賞を受賞したのがダニエル・カーネマン。
もともとは心理学者であったカーネマン先生は、認知科学と経済学を統合した行動ファイナンス理論、プロスペクト理論で有名。
2017年のノーベル経済学賞を受賞したのがリチャード・セイラ―。
シカゴ大学の経済学者で、専門は行動経済学。
カーネマン先生とともに世界の行動経済学の発展に尽力されている。
伝統的な経済学は、人間は常に自分の利益だけを考え、その利益が最大化するように合理的に行動するというとても単純化された前提を置きます。
この前提が現実を表していないことなどすべての経済学者は理解していましたが、その前提を置かないことには変数が多くなりすぎて数式を使った経済モデルが作れなかったからなのです。
伝統的な経済が持つこのような前提は、東日本大震災や広島県の豪雨などの災害時に、人々が自分の仕事を休んでまでボランティアに参加した行動を説明することができませんよね。
行動経済学では、人間の心理的な傾向を分析、把握して、それを理論的な体系に落とし込んでいこうという試みがなされています。
行動経済学の研究成果を学んでおくことで、実際にクライアントのお客様がどういった場面でどんな心理状態でどんな行動(購買行動)をとるのかということを考える時にとても役に立つのです。
人間は経済合理的に行動するものではなく、非合理な意思決定をする経済主体であるという事実を突きつけたのが行動経済学でした。
その考え方をマーケティング的に表現すれば、ヒトは意識的にすべての意思決定を行って行動するのではなく、むしろ無意識の世界でなんとなく(購買)行動をしているということです。
意識化にある言語化された世界だけではなく、無意識化の非言語世界の中で生きている時間のほうが長い人間を理解し、商品やサービスではなく、人間そのものを見に行く必要性が、新しい管理会計の構築を目指す我々会計専門家には避けて通れない大きなテーマなのです。
商品やサービスを見に行く前に、人間を見に行くという作法。
経済を動かしているのは人間であり、人間は経済的に非合理的な意思決定することもある、合理的で非合理な存在であり、その心理は人間の置かれた環境(文脈)で変化するということを意識しながら、人間そのものを見に行かねばならないのです。
人間そのものを見に行くということは、人間の心理ー無意識化に広がる掴みどころのないヒトの深層心理ーを観察するということなのです。
新しい管理会計の枠組みで管理するべき対象は、人間の心理であって、その心理と因果関係にある人間の行動なのです。従来のように数字を管理することだけが管理会計の管理の範囲ではないわけです。
新しい管理会計との接点であるマーケティング・インサイト。
しっかり学んでいただきますね。
お客様は自らの問題を認知して、その問題を解消するために商品やサービスを購入したり利用したりします。
お客様のその一連のプロセスは「問題解決のための大きな旅」と形容できるくらい、そのプロセスにおいて様々なインサイトが見え隠れします。
そのお客様の問題解決の旅=カスタマー・ジャーニーを可視化してマップに落とし込むことで、お客様がそのジャーニー上のどの地点で困っていいらっしゃるのか、その時のインサイトはどのようなものだろうかというようなことについて様々な示唆を得ることができます。
そこで得られた示唆を頼りに、商品やサービスの改善を実施していくことが可能になるのです。
カスタマー・ジャーニー・マップはイノベーションの創出に非常に効果的であるという誤解が生まれていたりしますが、そんなたいそうなものではなく、既存の商品やサービスを改善する時に問題点を発見することを可能とするとても役立つ思考ツールなのです。
ワークショップではカスタマー・ジャーニー・マップの作成に取り組んで頂こうと考えています。
数年前から巷でもよく耳にする言葉となったデザイン思考。
一般的な定義ではデザイナーが課題解決を行う時に使う思考のプロセスのことらしいのですが、個人的にはPDCAをすばやく回すこと以上のものではないような気がしています。
デザイン思考という言葉だけは聞いたことがあるという人も多いと思いますが、その本質は何かということを知っておかないと、なんだかイノベーションを引き起こしてくれそうなすごい思考ツールに違いないとか、ひどい誤解を生んでしまいそうなので、デザイン思考とは何かというお話を戦略思考と絡めて説明しておきたいと思います。
ロジカル&クリエイティブ研修で、論理思考プロセスを学んだ時に、問題認知→問題特定→原因探索→課題の設定→・・・とプロセスを追って説明をして、「課題とは何か?」と課題を定義しました。
その時には、「課題とは、原因を解消するためにやるべき大きな方向性をいう。」というような非常にファジーな定義をしておきました。
なぜ、このような掴みどころのないファジーな定義をしたかというと、課題の設定とは非常に幅もあり、かつ、距離感も自在に操れるという、とても自由度が高いものだからです。
自由度が高いということは、裏を返せば非常に掴みどころがない、もっというととても不自由なものなので、実は「課題の設定」はとても難しい。
原因探索の後で、最初に設定した課題はバイアスの産物であることが多くあります。
そのバイアスに気付くことができれば、よりよい本質的な課題に辿り着くことができます。良い課題が設定できれば、その問題は8割がた解けたも同然であるという言われ方がされるくらい、「課題の設定」とはとても重要なことなのです。
本質的な課題を設定するために気を付けるべきこと、課題をずらすときのずらし方を含め、様々な観点から課題について語ります。
どっぷり課題浸けになりましょう。
店頭という販売の最前線におけるマーケティングはどうあるべきでしょうか?
新しく商品を開発したり、すでにある商品やサービスを生活者に伝えるために、お客様のインサイトを起点に考えることはとても効果的です。
新しく作るフライパンは、多忙な働くお母さんのこういったインサイトを突くことができるように設計しようとか、家電事業部が新しく作った画期的な電子レンジを、若い夫婦が興味を持ってもらえるように、彼らのインサイトを突いた広告クリエイティブを作ろうといった感じです。
これらの作業は家の中で日常を送る生活者のインサイトを捉えてはいるものの、こういった生活者が、様々な商品で埋まっている店頭に来た時のインサイトを捉えているのものではありません。
なので、そこにインサイトのギャップが生じてしまうのですね。
こういったインサイトのギャップを埋めるために店頭ではどういったマーケティングを実施すればいいのかということを理解しておかないと、「人間の心理と活動、その結果としての数字」を管理の対象とする新しい管理会計の枠組みをマスターすることはできませんよね。
店頭購買心理と店頭購買行動を管理することも必須です。
一般的なマーケティングはB to Cを中心にして組み立てられていますので、B to Bの場合には少しだけ違った視点でビジネスを見なくてはなりません。
B to C(Business to Consumer)は個人のお客様を相手にする一方、B to B(Business to Business)は法人のお客様を相手にすることが根本的な違いですが、このお客様が個人なのか法人なのかの違いが様々な取引上の差異を生みます。
お客様が個人の場合ならば意思決定者は基本的に1人ですが、法人の場合には意思決定者は組織構造によっては多数になります。
お客様が個人の場合、その意思決定は無意識化でなんとなく非合理になされるケースも多いですが、法人の場合にはほぼ経済合理的な意思決定となります。
お客様が個人の場合、その顔を見ることは基本的にありませんが、法人の場合にはその法人の購買担当者がいらっしゃってしっかりと顔を見て商談をすることができます。
なので、実はB to Bマーケティングのほうが取り組みやすいのです。
こういった観点で、B to Bマーケティングで様々な見るべき視点をお伝えしますね。
論理思考はファクトを重視します。論理的であるとは、論理が繋がっているだけではなくて、ファクトに基づいて推論することを含意します。
しかしながら、すべてファクトであることを確認してから論理を進めないといけないとなると、時間がかかってしかたがなくて、スピードが求められるビジネスの現場で論理思考など使えなくなってしまいます。
そこで、すべての命題がファクトであると確認する前に、仮説をたててその仮説をベースに論理を組み立てるということも認められるべきです。
仮説の命題を使って論理を組み立てることは、当然ながらファクトと確認できていない命題を基に論理展開しますから、その論理は脆弱にならざるをえません。
スピードを犠牲にして高い確度の因果の論理を求めるのか、スピードを優先してある程度の因果の論理で良しとするのか、スピードと、因果の論理の確度の2つの要素の中でのトレードオフが思考するという時の大きな悩みとなります。
しかし現在は昔と違って、デジタル環境等が抜群に進化していますから、とにかくスピードを重視して、因果のロジックの確認は、実際にやってみることで確認すればいいんだと割り切ってしまうことが大事だと思います。
結局、自分の打ち立てた仮説が正しいかどうかなんてことは、実際に実施してみて結果を見なければ確認できないということです。
100%の因果関係を確認するためにはランダム化比較試験を持ち出さなくてはなりませんが、これもまた莫大なコストがかかってしまい現実的ではないですしね。
以上から、仮説思考というものがとても思考プロセスの中でとても大切だということはわかると思います。
しかしながら、多くの先生方は、思考プロセスの中でどこが仮説なのか、どこで仮説思考を使うべきなのかということを意識していらっしゃらないと思います。
仮説思考の使い方についてじっくりお話してみようと思います。
管理会計を学ぶと、原価や費用を変動費と固定費の分けることを知ります。
そして損益分析点分析で安全余裕率等の計算を実施して、なんだか仕事をした気になってしまいますが、残念ながらほぼ実務の役には立ちません。
伝統的な管理会計で原価や費用の固変分解を学んで、固定費というものをよく理解したつもりになっているのに、多くの会計専門家は、固定費という視点でクライアントのビジネスを見ることをしません。
ビジネスにとって固定費は必要不可欠の原価要素です。
そのビジネスのキャパシティを決定する必須のビジネスアイテムと言っていいものですが、ビジネスの現場ではなかなか日の目を見ない縁の下の力持ち君的存在です。
新しい管理会計の枠組みでは、固定費はビジネスの必須アイテムとしてもっと注視していくことになります。
固定費を中心にビジネスを俯瞰できると視野がさらに広まりますよ。
相関分析と重回帰分析までは前回のL&C研修でお話をさせていただきましたが、統計学が扱えることは非常に多岐に及んでおり、まだまだお話したいことはたくさんあります。
ビジネスにおいても全てのサンプルをくまなく調べ上げることができれば、それに越したことはありませんが、通常は莫大な調査コストがかかってしまうので、全数調査を実施することはほぼありません。
逆に全数調査など実施しなくても、標本調査(サンプル調査)だけでデータ全体を推定することができるのが統計学の強みでなのです。
例えば、自社にデータがあるお客様の購買意向に関する調査も、すべてのお客様を調べ上げる必要はなく、その一部のお客様に調査を実施して母集団全体の購買意向を推定するということが可能なわけです。
今回は、標本調査、母平均の点推定、区間推定、t分布、統計的検定などのお話をしようと思います。
運動会も文化祭も修学旅行も、お誕生会も彼女とのデートもバーベキュー大会も、これらは全部プロジェクトです。
プロジェクトは終わりがあって、予算があって、他にはないユニークなものをいいます。
つまり1回性という性質を持つものです。
したがって、人生だって人間が経験する最も偉大なプロジェクトです。
反復して同じことを繰り返すものはプロジェクトとは言いません。
例えば、人事部や経理部の方のお仕事である毎月のお給料計算。
毎月ほぼ同じことを繰り返しますから、ベテランになってくると仕事が早くなります。
そのベテランの方に1,000ヶ月くらい毎月毎月お給料計算を何時間で終わることができたかを記録してもらって、横軸に所要時間、縦軸に頻度をとってプロットすれば、きれいな正規分布が得られます。
ところが一回性という特徴を持つプロジェクトの場合は、同じプロジェクトを仮に1,000回実施することができたとしたら、正規分布などせずに、β分布(べき分布)してしまいます。いつまでたっても終わらないようなケースが出てきてしまうんですね。
暇だから車で本屋へ行って小説でも買って来ようというのはプロジェクトです。
ある時はすんなり本屋へ車で到着して目当ての本を買って、レジで支払いをして、車に乗って帰ってくることができました。でもある時は、車が混んでいて行きも帰りかなり時間がかかってしまいました。
またある時は、本屋で高校の同級生にばったり出会って長いこと話し込んでしまいました。
さらにまたある時は、本の注文の対応をしたアルバイト店員が全く仕事のできない学生さんで、本1冊の注文に30分もかかってしまいました。
これらの出来事が全て重なってしまう可能性もあります。
その分布の形状は、恐竜のしっぽの尾のような形をするので、ロングテールなんて呼ばれたりします。
プロジェクトは一回性という性質を持つので管理が非常に難しい。多くの作業が直列もしくは並列に繋がって全体のプロジェクトを構成するわけですが、この繋がりの持つ性質によってプロジェクトの管理は困難になるのです。
建設業やソフト開発業などがこれにあたりますが、しっかり学んでおくことで、プロジェクトを主たる営業とするクライアントからはとても喜ばれるアドバイスができますね。料亭の年末のおせち作りなんかもプロジェクトですね。
PR(ピーアール)って言葉を聞くと、プロモーション(Promotion)だと勘違いしてしまう人も少なからず存在します。
何らかの商品やサービスが売れるように販促を行うことだと思っている人は案外多いですよね。
PRとは、Promotionの頭2文字を取ったものではなくて、Pubilic Relationsという言葉の頭文字を取ったものです。
公衆(Public)との良い関係(Relations)を作り出すことをさしてPRというのですね。
ここで、公衆(Pubilic))とは自社を取り巻く自社以外の個人、集団、組織、社会を広く指す概念です。
自社を取り巻く個人や社会との良い関係を築くことがPRの本質ということになります。
この言葉が1940年代後半にアメリカから導入された時には、行政機関では「広報」と訳されましたが、民間企業では「PR(ピーアール)」という略語が遣われました。
その後PRは「宣伝」とほぼ同義で使われることが多くなってしまい、その本来の意味から離れて行ってしまいました。
現在でもPRといえば、組織側からの一方的な情報発信だと思われている節もありますが、「社会との良い関係づくり」という本質的な意味を忘れてはいけません。
PRとは具体的にどんな仕事なのかというと、自社や自社の商品・サービスに社会の多くの人に共感してもらって、その延長線上で自社の商品やサービスを購買してもらうということです。
共感してもらうためには、まず世の中に自社や自社の商品・サービスの存在を認知してもらわなくてはなりません。その認知してもらう方法としてはお金をかけてCMを打つなどの広告というものもありますが、広告で共感を得ることはなかなか難しい。
そこで、メディアにニュースリリース等で当社の商品やサービスをお知らせして取材をしてもらい、雑誌や新聞やテレビを言う媒体で紹介してもらうという方法であれば、メディアという中立的な第三者が介在している点で、情報の信頼性などが担保されて、情報の内容に社会性などがあれば共感を得ることが可能となるわけです。
広告宣伝はお金が莫大にかかりますが、PRという手法は取材を受けてメディアが記事にしてくれますから、0円で認知を獲得できるわけです。
したがって、PRは中小企業こそが本格的に取り組むべき手法なのですが、そのノウハウを蓄積している中小企業なんてほぼ皆無です。大企業でさえ、PRに注力している企業は全体の20%程度だと言われています。
PRというものをざっくり説明するとこんな感じですが、そのPRをさらに戦略的に実施していこうというスタンスが戦略PRという手法です。
PRを実施するにあたって必須アイテムとなるのが、メディアに自社ならびに自社の製品・サービスの存在を伝える「ニュースリリース」です。
毎日各メディアには何百枚、何千枚というニュースリリースが届けられています。
戦略PRという手法が世に広まった約10年ほど前からはその数は激増しています。
メディアの担当者は、日々の多忙な仕事の合間にその莫大な数のニュースリリースに目を通して、これはというお宝情報を見出さなくてはなりません。
1枚に割くことができる時間は3秒程度と言われています。
そんな過酷な状況の中でしっかりと最後までニュースリリースを見てもらうためにはどうしたらよいかということを考えながら、リリースの作成を行わなくてはなりません。
そこには当然いくつかのポイントがあります。
情報の流れ方まで事前に企図してしまう戦略PRであっても、最初は1枚にリリースから始まるのです。ここをおろそかにしては何も始まりません。
中小企業が作る多くの販促物(DM,チラシ、ポスター、新聞広告、webコンテンツ等)は、意図をもって言葉を選んでいるケースはとても少なく、そのほとんどがなんとなくというフィーリングで作られてしまっています。
言葉一つの選び方で反応は大きく変わります。どの言葉を遣うべきなのかにつて戦略的に言葉の選択を実施しなくてはいけません。
そして、どの種類の言葉を遣えば反応がいいのかを実践の中で掴んでいかなくてはいけないのです。
そして、その前に、その言葉の種類にはどんなものがあるのかということを体系的に知らないと、戦略的言葉選びができませんよね。
コピーライターは目指さなくてもいいのですが、戦略的に言葉を選んで効果の出る言葉選びができる程度には、言葉遣いの自由度をあげていきましょう。
チラシの高価は年々薄れていると言われて久しいですが、そんな中でも中小企業の中にはまだまだチラシを集客方法の柱と位置付けているところも多いかと思います。
でも、その多くは昔から付き合いのある印刷会社にまかせっきりで、印刷会社にもマーケティングの知識などないにも関わらず、チラシの内容まで下請する所もまだまだとても多いですよね。
なので、チラシを作って配ることを何となく昔からのルーティンとして実施してしまっている会社がとても多いように感じます。
チラシに書くことをロジカルに戦略的に考えて書き、その効果を検証してブラッシュアップしていくこともとても大事なことです。
ウェブマーケティングの全体像をお話して、ウェブマーケティングにも強くなっていただきのはやまやまなのですが、他にもお話しするべき事項がてんこ盛りなので、このタイトルに特化した内容でお話をしたいと思っています。
(時間をかけて全体を詳細にお話しする機会はまた別途作りますね。)
中小企業の多くは自社のwebサイトをお持ちのことと思いますが、その製作は外注のweb制作会社に丸投げしてしまうことがほとんどですね。
そして出来上がったwebサイトを使ってみて、こんなはずではなかったと後悔する経営者の方が9割以上いらっしゃるそうです。(政府機関調べ)
なぜ、こんなことが起こるのかというと、経営者の方はwebで売上が増加するものだと思って数百万円をweb製作に投資するのですが、出来上がったwebサイトからそんな売上など上がってこないという期待ギャップによるものがほとんどだそうです。
この実情が物語っているのは、世にある多くのweb制作会社は、webの製作はするけれども、webマーケティングもできる会社はほとんどないという事実です。僕もこれまで多くのクライアントでそういった事実を目にしてきているので、この調査結果は納得のいくものでした。
クライアントがwebを作るとなった時には、SEOとKeywordという大きな論点くらいはしっかりアドバイスできるようになっておきたいですね。
これら2つをポーターとバーニーの戦略論のアナロジーでお話してみようと思います。
SNSがすっかり社会のインフラとして定着し、僕らの生活には欠かせないものになりました。
ビジネスでもSNSを上手に使って認知を取り、最終的に販売まで導くことを上手に行っている会社がたくさんあります。
一方で、SNSまじめに取り組んでいるのだけれでも全く成果が出なくて困っているんですという会社もとても多い。
どこが違うのでしょうかね?
SNSだけでマーケティングは完遂されるものではなくて、自社のwebサイトの連携であったりというつながりの部分がとても大事ですよね。
最新のSNSマーケティングの事例を交えながら、SNSマーケティングで押さえるべきポイントのお話をしますね。
皆さんもSNSはご自分でも活用されていらっしゃる方がほとんどだと思いますので、とっつきやすいテーマだと思います。
皆さんのクライアントでも既存事業に加えて新たに事業を立ち上げたいというニーズは多くなっているのではないでしょうか。
AI、5G、クラウド、ブロックチェーンというこれまでにない技術が立ち上がってきて、ビジネス環境は大きな転換点を迎えており、業種によっては既存事業が立ち行かなくなる可能性も大いにあるディスラプションの時代です。
そういった時に新規事業(スタートアップ)の立ち上げ方をロジカルにプロセスを追って指導出来たらとても感謝されますよね。
思いつくままにビジネスを開始しても、そもそも業界的に儲からない業種を選んでしまうと後から大変な目に遭います。好きだからという情熱だけで新しく事業を立ち上げてみても、情熱が全てを解決してくれるわけでもありません。
したがって、スタートアップならではのマーケティング的視点、戦略的視点を学んでおくことはとても大切ですね。
レトリックはもともと言葉を強くして印象に残したり、説得したりする時に使うものであり、それは表現の方法でした。
広告コピーの作り方の中でもレトリックはとても重宝するのですが、それも言葉の修辞技法、表現の方法としてのレトリックでした。
しかしよく考えてみると、レトリックの本質は表現のジャンプではなくて、意味のジャンプにあるのですから、表現方法としてではなくて、様々なクリエイティブな発想の場面で使える素晴らしい技巧法なのです。
レトリックを自由に扱えることも、クリエイティブな人間になる1つの道程ですね。
課題のデザインとも重なる部分はあるのですが、バイアスをブレイクすることができたら、世の中はまだまだ住みよい場所になること間違いないですよね。
なぜなら、僕たち人間はバイアスに取り囲まれているにも関わらず、一向にそれらに対して認知ができていない状態なのだから。
バイアスに気付くことがまずは必要ですが、そのバイアスに気付いた時に、どのようにそのバイアスを崩していけばいいのかについてお話します。
抽象化された理論を具体へと落とし込むことを体感するために、実際の企業の事例を一般から公募して、ケース研修とすることを予定しています。
こちらでも募集をかけますが、先生方のクライアントで見てほしいという会社があればご応募ください。無料でのコンサルティングとなります。
世界がより良い場所になりますように。
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